住まない実家の相続後の最適な処分方法とは?


実家を相続することになったけどそのまま放っておいても大丈夫?
相続した実家はどうしたほうが一番いいの?

近年、親が亡くなって相続した実家をそのまま空き家状態にしている事案は多く、いまや大きな社会問題となっています。

空き家の近隣のお宅にとっては、放置された空き家の雑草や害虫の発生などの怖れ、台風や大雨の時には廃墟化した空き家が倒壊するのではという不安に怯えなければならず、本当に迷惑以外のなにものでもありません。

そういった長年放置され続けてきた空き家を、どうにか減らしていかなければならないということで2023年6月7日、参院本会議において空き家の管理強化や活用策を盛り込んだ「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」が可決成立しました。

これまで空き家の固定資産税優遇制度のおかげでのんびりしていた人も、持っている空き家の状態によっては重かった腰をとうとう上げざるを得ないことになるかもしれません。

近くにあるなら転居してくるという選択肢もあるかも知れませんが、遠く離れたところに住んでいたらそういうわけにもいかないので、ここはもう腹をくくるしかありませんよ。

もしあなたが実家を相続して住まないのなら、放っておかずに早めに実家を売るのがベストです!

空き家を早めに売却した方が良い理由

空き家を早めに売却した方良い理由は3つあります。

  • 固定資産税や維持管理費の負担が大きくなる
  • 改正空き家対策特別措置法の施行
  • 近隣住民とのトラブル

この2つこそが空き家を早めに売却した方が良いという理由です。

固定資産税や維持管理費の負担が大きくなる

実家に住まなかったとしても、相続した以上は固定資産税を支払わなければいけないし、空き家であってもその維持管理はしていかなければいけないので、古くなっていけばいくほどそれらの費用の負担が大きくなってきます。

誰も住まなくなった家の老朽化は思った以上に進み、しばらく見ていないと予想以上の傷み具合にびっくりするほどで、本当にあっという間に荒れ果てていってしまいます。

空き家を売るにしても、倒壊寸前になったときよりも状態がいいうちの方が早く決着がつくので、早めに決断する方がベターです。

改正空き家対策特別措置法の施行

2015年に施行された「空家等対策特別措置法」では、“放置すれば倒壊等著しく保安上危険となる恐れのある空き家”が「特定空き家に指定され、固定資産税増額の対象となっていました。

ところが、上記の通り「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、「改正空き家対策特別措置法」が2023年12月(予定)から施工されることとなり、固定資産税が6倍に増額する空き家の対象が拡大されることが決定しました。

これまでは、空き家であっても200平方メートルまでの敷地部分に対しては固定資産税を6分の1に軽減するという規定が適用されていましたが、管理不全空き家」に指定されるとその規定が適用されないのです。

「管理不全空き家」とは「特定空き家になりそうな物件」のことを指しますが、その具体的な基準はまだ現段階では決まっておりませんが、この「改正空き家対策特別措置法」が施工されるのをきっかけに空き家の処分を決断する方は多いのではないかと思われます。

近隣住民とのトラブル

管理されずに朽ち果てていく田舎の空き家は野良猫の住みかとなるばかりか、最悪は粗大ごみの不法投棄の場所になってしまうこともあります。

また、空き家を放置すると庭や家屋周辺の草木が伸び放題になってしまいます。草が生い茂ることでダニや蚊が大量発生する可能性がありますし、周囲から見えなくなることで不審者が住み着いてしまう危険性もあります。

空き家が原因で害虫が発生したり台風の時などに飛散物があったりすれば、当然、近隣住民にとっては大きな迷惑です。空き家の所有者であるあなたに苦情が入る可能性は高いですし、そうした苦情に対応しなければ近隣トラブルに発展していくのは想像に難くありません。

最悪の場合は、放火が原因での火事が起こることもあります。そうなった場合は、空き家の所有者の責任が問われることにもなってきますので、放っておいていいことなど何もありません!

売ると決断したら即行動!

売ると決めたらすぐに行動に移しましょう。

まずは下に挙げた4つを確認しましょう。

  • 親戚縁者の中に空き家の購入者がいないか探す
  • 空き家の売却を依頼する不動産仲介会社を探す
  • 中古住宅として売却するか土地として売却するかを検討する
  • 空き家を解体しない場合は値下げも検討する
  • 空き家バンクに登録する

この中からあなたの空き家にあった方法を考えます。


リビンマッチ不動産売却

親類縁者の中に空き家の購入者がいないか探す

空き家を売却して処分すると決めた場合、まずはあなたの血縁や婚姻関係でつながりのある人、知人や友人或いは実家の近くの方に空き家の購入の意思がある人がいないか探してみましょう。

親戚関係だと話も進めやすいし、また実家の近くの人の中には子どもに住まわせる家を探していたり、自家用車が増えたため車庫用地を探していたりする人もあるので、まずは打診してみるのが得策です。

空き家の売却を依頼する不動産仲介会社を探す

親類縁者、実家近くの知人の中に購入を希望される方がいなければ、次は空き家の購入者を広く募集することになります。

そのためには、やはりプロの不動産仲介会社に依頼して買い手を探してもらう必要がでてきます。そこで売却を依頼する不動産仲介会社を探すことになるのですが、基本的には複数の不動産仲介会社に売却の相談することをおすすめします。

その中から、営業力が高く信頼できる会社数社を候補として選出し、複数の会社に同時に依頼する「一般媒介契約」を締結します。

中古住宅として売却するか土地として売却するかを検討する

空き家の築年数や状態によって売却の仕方が変わってきます。まずはそのまま売却するのか、それとも土地として売却するかを決めましょう。

木造住宅の場合は耐用年数が20年ほどとされています。実際には耐用年数以上住み続けられるので、普通に住むのであれば問題ありませんが、住むためには大がかりな修理が必要だという状態であれば、売却の査定においてはほとんど価値がないと考えていいでしょう。

ただ、リフォームしていたりすることで築年数の割には状態がいい場合もあります。その場合はそのまま中古住宅としての売却も可能ですが、客観的に見て老朽化が激しく買い手が現れないと思われる場合は土地として売却したほうが良いでしょう。

また、中古住宅として売却する場合の一般的な傾向として、平成以降に建築された家は「中古一戸建」として扱われ、昭和以前に建築された家は「建物付土地」とすることが多いようです。

不動産仲介会社と相談し、「建物付土地」として販売するか「中古一戸建」として販売するか、或いは土地として販売するかを相談することで買い手がつくかどうか、早く売れるかどうかが大きく分かれることになります。

空き家を解体しない場合は値下げも検討する

更地として売りに出した場合は、買い手が見つかるまでの時間が一般的に短くなる傾向にあります。

その理由は、新築住宅を建てるのが目的で土地を購入する場合が多いので、更地の方がこれから建てようとする住宅のイメージがつきやすいからです。

だけど土地として売却する場合、建物を解体して更地として売りに出すか、もしくは建物はそのままの状態で売りに出すかは判断が分かれるのも事実です。

理由としてはやはり家の解体費用が自己負担となることです。その費用は坪単価で3~5万円はかかりますし、建物の建っている場所によってはそれ以上に坪単価が高くなることもあります。

「建物付土地」として解体せずに売却する場合、「土地だけ使いたいので家はいらない」とか「解体費用がかかるから値下げしてくれ」といった、売却価格の値下げ交渉を持ちかけられることがあるものと考え、不動産仲介会社と相談しいくつかの選択肢を準備しておきましょう。

空き家バンクに登録する

空き家が売れない場合の最終手段として空き家バンクに登録する方法もがります。

最終手段といったのは、空き家バンクで売却すると不動産仲介会社を通して売却するよりも売値が安くなってしまうからです。

空き家バンクというのは、自治体が主体となって運営している空き家の登録システムで、不動産会社では扱わないような状態が悪い家でも購入希望者が出てくる可能性があるという点です。

言い方は悪いですが、安い物件を見つけてリフォームして住む、そのままの状態で古民家として住むなど、古い家であっても買い手が出てくる可能性は高いのは事実です。

不動産仲介会社に依頼してもなかなか売れないという場合でも、空き家バンクなら購入希望者が出てくる可能性があるので最終手段として考えておきましょう。あなたの実家がある自治体の空き家バンクに登録するだけで登録は無料です。

まとめ

相続しても住まない実家(空き家)は、できるだけ早いうちに処分しましょう。

住まないまま放置していても、固定資産税や維持管理費用の負担が重くのしかかってきます。

「空き家対策特別措置法」や「改正空き家対策特別措置法」により、「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定された場合は税の優遇規定も受けられず、自治体等が強制的に放置・老朽化した空き家を解体処分して、それにかかった費用を所有者に請求されることになります。

そのようなことにならないよう、できるだけ早いうちに実家を売却することが必要です。不動産のプロに相談すると最善の処分方法を教えてくれるので、一括査定サイトで信頼できる不動産会社を探してみましょう。